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辺野古法廷闘争「国と裁判所の反則勝ち」 有識者ら指摘 玉城デニー知事らがトークキャラバン 沖縄


辺野古法廷闘争「国と裁判所の反則勝ち」 有識者ら指摘 玉城デニー知事らがトークキャラバン 沖縄 辺野古新基地建設問題について意見交換する登壇者ら=10日、那覇市の県市町村自治会館
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 沖縄国際大に米軍ヘリが墜落する事故から20年を迎えるのを前に、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題について考える玉城デニー知事らによるトークキャラバンが10日、那覇市の県市町村自治会館で開かれた。

 登壇した有識者らは、県と国の間で争われた法廷闘争について「国と裁判所による反則勝ちだ」(武田真一郎成蹊大教授)と司法の在り方を問題視した。地方自治に関する課題を解決するため、法改正の必要性が提起された。

 トークキャラバンは辺野古新基地建設について全国の人に考えてもらおうと2019年から始まり、県内開催は初めて。

 武田氏は、本来は国民を救済する制度である行政不服審査法に基づく審査請求を国が用いたことや、全く別の制度である取り消し裁決と是正の指示の連結を裁判所が認めた点を挙げ、「国に都合の良い結果を導いた」と批判した。

 岡田正則早大法学学術院教授は女性や性的少数者の権利を巡り、最高裁が判断を変えているとし、国民世論の盛り上がりが重要だと指摘。県が全国知事会などで訴える地方自治法の改正などを実現し「きちんと自治ができるようにすることが大事だ」と訴えた。

 玉城知事は辺野古の難工事や周辺の希少な環境を挙げ「新基地建設は多くの課題があり、建設予定地として全く適切ではない」と改めて強調し、国との対話による解決を求める考えを示した。

 裁判で県側代理人を務めた加藤裕弁護士や琉球朝日放送の本村杏珠記者も登壇した。

 (知念征尚)