幅広い世代の県民が集い、繰り返される米軍の事件事故に抗議の声を上げた。宜野湾市で10日に開かれた県民大集会には幼い子どもから車いすの高齢者まで約2500人(主催者発表)が集った。「普天間飛行場の閉鎖・返還」「許すな!米兵の性暴力」―。沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事故から13日で20年。変わらぬ沖縄の現状にも「諦めず、気持ちを一つに」と、米軍基地の整理縮小を訴えた。
会場のユニオンですからドーム宜野湾は、開会の1時間以上前から参加者が集まり始め、30分前には会場に入ろうとする人たちが長蛇の列をなした。扇風機が設置されても熱気がこもり、うちわをあおいだり、手持ちのハンディファンを使ったりする姿が目立った。
浦添市の事務職、西銘耕史さん(47)は、妻と高校1年の息子と訪れた。1995年の米海兵隊員による少女乱暴事件発生時は18歳で、親と一緒に県民総決起大会に参加したといい「今日は、自分が親になって息子と来ている。あの時と状況は変わらない」と残念な様子で話した。
会場には入らず、外から様子をうかがう人も。那覇市の西中間史夏さん(31)は、0歳の三女が乗ったベビーカーを揺らし、長女と次女をなだめながら、登壇者の声に耳を傾けた。沖国大のヘリ事故発生時は小学生で「ヘリってこんな街中に落ちるんだ、と怖くなったのを覚えている」と振り返る。「米軍の事件事故を気にしなくていい沖縄になってほしい」と願った。
車いすで参加した謝花悦子さん(86)は「戦後から今日まで変わっていない。(米軍の)訓練や演習の強行は許すわけにはいかない」と伊江島から駆けつけた。伊江島の反戦平和活動家・故阿波根昌鴻さんの思いを受け継ぐ「わびあいの里」理事長を務め、「平和な世の中のために基地はなくさないといけない」と語気を強めた。
(金盛文香、狩俣悠喜、前森智香子)