沖縄国際大で起きた米軍ヘリ墜落事故の現場を撮影した写真などを展示した「私の見た壁~1000の記憶」(同実行委主催)が13日、那覇市パレットくもじ6階の那覇市民ギャラリーで始まった。入場無料、18日まで。当時の学生や地域住民らが捉えた墜落現場の写真や新聞記事などが展示されている。実行委の呼び掛けに寄せられた写真は1400枚に上る。
写真展は、ヘリが墜落して黒いすすの跡が残った学内の壁の保存運動をきっかけに2005年に始まった。19年を最後にコロナ禍で中断して以来5年ぶりの開催となる。
墜落現場の保存の是非をめぐっては、反戦平和を継承する「記憶の壁」か、基地との共生を強いられる市民の恐怖をあおる「不安の壁」か―との論争があった。実行委員の新川美千代さんは「写真を前にすると当時のにおいまで思い出す」と言葉を詰まらせた。「壁をそのまま残すことはできなかったが、沖縄の歴史の一部として、多くの市民が目撃していたと写真で示したい」と話した。
事故当時、沖国大1年だった仲尾美希さん(39)も実行委員として来場者と対話を重ねる。「毎回来てくれる人も、初めて来て当時の目撃談や思いをぽつりと語りだす人もいる。写真展があの日のことを語り合う場になってほしい」と語った。
写真展は、午前10時から午後7時。最終日18日は午後6時まで。
(慶田城七瀬)