米統治下で圧政と闘った政治家・瀬長亀次郎さんの足跡を展示する那覇市若狭の不屈館で、沖縄国際大学での米軍ヘリ墜落事故に関する写真約40枚を閲覧できるコーナーが設置されている。写真は内村千尋館長(79)が事故当日に現場に駆け付けて撮影したもの。
「沖国大が大変なことになっている」。2004年8月13日、内村さんは知人からの連絡で事故を知った。急いで大学へ向かうと、既に規制線が張られていた。墜落現場が見える場所へ回り込み、使い切りカメラで撮影した。
ヘリが衝突して黒く焼け焦げた本館、飛び散った部品を回収する米兵、飛んできた部品で破壊されたとみられる民家のアーチ。当日は現場周辺に約4時間とどまり、写真に収めた。事故の翌月、抗議のために沖国大で開かれた宜野湾市民大会にも参加し、写真を残した。
事故から20年となる直前の今月10日から、不屈館内で写真を閲覧できるコーナーを設けた。設置は1カ月ほどを予定する。内村さんは「沖縄の状況は20年前よりむしろ悪化し、戦争への準備が進められているように感じる。事故のことをもう一度考え直さないといけない」と話した。不屈館の開館は午前10時~午後5時。祝日を除く月・火曜日が休館。
(前森智香子)