LINEのアカウント乗っ取り詐欺 知人になりすましID聞き出す 沖縄県警が注意呼びかけ


LINEのアカウント乗っ取り詐欺 知人になりすましID聞き出す 沖縄県警が注意呼びかけ 沖縄県警本部
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 無料通信アプリのLINE(ライン)で、知人を装ったメッセージを送信し、アカウントを乗っ取ろうとする手口が確認されているとして、県警が注意を呼びかけている。

 乗っ取られたアカウントを通じて数十万円の詐欺被害の相談が寄せられており、IDやパスワードの入力は慎重にし、他人には絶対に教えないよう求めている。

 県警サイバー犯罪対策課によると、まず知人を装った何者かがラインに「アカウントがロックされた。解除するには何名かの友人の確認が必要」などというメッセージを送信。信頼した受信者を偽サイトに誘導し、IDなどを入力させてアカウントを乗っ取る。

 乗っ取られたアカウントからラインでつながる友人らに、電子カードの購入などを依頼し金銭をだまし取ろうとしたり、IDなどを聞き出そうとしたりするメッセージが送信されるという。

 サイバー犯罪対策課の担当者は、同手法は以前から存在するとした上で「ラインの利用者は数も多く、中高年層も含めて層も幅広いため、被害が広範囲に及ぶ可能性がある」として警戒を呼びかけている。

数十万円の詐欺も 被害者「善意を悪用、許せない行為」

 友人からのメッセージからLINE(ライン)アカウントを乗っ取られた会社顧問の60代男性が27日、取材に応じた。乗っ取られた後、男性のアカウントから送られたメッセージで知人が金銭被害を受けた。男性は「人の善意を悪用した許せない行為だ。」と訴える。

 24日午後9時ごろ、男性のラインに友人からメッセージが届いた。「今忙しい?」。ゴルフの誘いと思った男性が返信したところ、ラインデータ復活のために情報入力を求められた。「トラブルに巻き込まれたから忙しいのか」と指定のURLをクリックし、情報を入力すると、操作できなくなったという。「ラインのアカウントが消えてびっくりしたが、乗っ取られたという認識はなかった」

 だが翌日になると「変なメッセージが来たよ」などと方々から連絡が相次いだ。周囲に相談し、事態を把握。電話番号を知っている知人らに片っ端から連絡するなどしたが、自身のアカウント経由で同級生や社員ら4人が同様にアカウント乗っ取り被害に遭った。

 電子マネーの購入を求めるメッセージが届いた60代の知人は、男性を助けようとする思いから20万円分の電子マネーカードを購入し、だまし取られたという。男性は「相手が何かトラブルに遭っているのではと考えるととっさに対応してしまう」と声を落とし、被害の拡散がやむことを願った。