自衛隊沖縄地方協力本部に所属し会計担当を務めていた20代男性自衛官が、部隊名義の発注書を偽造し、受け取った物品等を転売するなどして現金を着服していたことが22日までに、防衛省関係者などへの取材で分かった。
自衛隊の警務隊は詐欺などの容疑で20日に自衛官を逮捕し、那覇地検に21日、送致した。被害額は計2千万円超に上る可能性があるという。同本部は琉球新報の取材に、調査中のため回答は差し控えるとした。
自衛官を巡っては、9月から10月にかけて、大麻取締法違反容疑で那覇駐屯地所属の当時19歳と20歳の陸上自衛官が逮捕されるなど、県内で摘発が相次いでいる。
関係者によると、同本部で会計業務などに就いていた男性自衛官は、1年以上前から自衛隊の部隊名義で物品等の発注書を偽造し、注文を繰り返していた。受け取った物品を県内のリサイクルショップなどに持ち込み転売し、不正に現金を得ていたとみられる。
今年10月、約1400万円の未払い金があると部隊に連絡があり、事件が発覚した。これまでに複数の虚偽の発注が確認されているという。
那覇市内のリサイクルショップで今月、男性自衛官が電化製品を持ち込み換金していたとの情報もあり、男性自衛官は「借金の返済や遊興費などに使用した」などと話し、容疑を認めているという。
自衛官を巡っては、大麻取締法違反容疑で逮捕された陸上自衛隊那覇駐屯地所属の陸上自衛官の特定少年が同駐屯地内の隊舎で乾燥大麻を所持し、県警に押収された。駐屯地内で同僚隊員に有償で大麻を譲り渡したとされる。
9月には那覇市のホテルで女子中学生にみだらな行為をしたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で海上自衛官が逮捕された。沖縄市内の路上で5月、妻を足蹴りしたなどとして傷害容疑で50代の男性自衛官が逮捕されるなど、自衛官の逮捕が相次いでいる。