第2回学校新聞コンクール



最終更新日:2007/11/15

第2回琉球新報学校新聞コンクール

 第2回琉球新報学校新聞コンクール・第9回沖縄県中学校社会科新聞コンクール(主催・沖縄県学びをつくる研究会、沖縄県中学校社会科教育研究会、沖縄県マルチメディア教育研究会、琉球新報社)が行われた。県内の小中学校から、小学校壁新聞部門に318点(制作人数1183人)、小学校デジタル新聞部門に231点、中学校社会科新聞部門に2099点の合計2648点の応募があった。10月27日の審査会で、琉球新報社長賞、沖縄県中学校社会科教育研究会会長賞などのほか、金賞、銀賞、銅賞を決定した。入賞者は次の通り。表彰式は17日午後1時から、琉球新報ホール(那覇市泉崎)で行われる。金賞以上の入賞作品展を、12月5―11日まで、琉球新報本社(那覇市天久)1階ギャラリーで開催する。

審査講評(小学校壁新聞)

伝え方の工夫に関心

審査委員長 真喜志昇(沖縄県学びをつくる研究会会長、宜野湾市立嘉数小学校教頭)

  今年は、「第2回琉球新報学校新聞コンクール」を開催するにあたり、沖縄県学びをつくる研究会だけでなく、沖縄県マルチメディア教育研究会、沖縄県中学校社会科教育研究会も共に主催に入り、「デジタル新聞部門」と「中学校社会科新聞部門」ができ、ますます発展してきていることは誠にうれしいことであります。

 
小学校壁新聞部門においては、21世紀を担う子供たちの「プレゼンテーション力」ならびに「文章表現力」の向上を目指して、作品を称賛することで、達成感・満足感を与え、さらなる向上心や探究心をはぐくむと考えています。また、共同制作を主流にしており、これからの児童生徒に人間関係力や協同して仕事をする力を培いたいと考えています。

 
今回は、県内各地から318点、総勢1183人もの子供たちの素晴らしい作品が寄せられました。今回も力作ぞろいで審査に大変苦慮しました。内容面では、新聞として大切な5W1Hを大切にし、最初の文や見出しでだいたい内容が分かる作品や、編集後記や感想で読む側を想定し、自分の言葉でうまく伝えようとした作品が多く、感心しました。書き方についても写真を張ったり、イラストを描いたり、クイズ形式にしたりなど、新聞づくりを楽しんでいる様子がよく分かりました。

 
課題としては、著作権に配慮を要する新聞(インターネットから無断で写真を借用等)が見受けられました。また、個人情報にも配慮が必要です。最後に、次回も相手に分かりやすく、興味を持って読んでもらえる新聞を期待しています。

審査講評(中学校社会科新聞)

内容のゆたかさに感動

審査委員長 金城聡(沖縄県中学校社会科教育研究会会長、琉球大学付属中学校副校長)

 中学校社会科新聞コンクールは、本年度から、琉球新報社と共催で開催されました。

 本研究会では、社会科の授業および課題の中で取り組んだ新聞作りを通して、資料活用能力、表現力、プレゼンテーション力などを高めることをめざしています。

 
内容面では、1・2年生は、世界のさまざまな国家や歴史的事象・人物等を取り上げたものが多く、3年生は、環境問題、社会保障、基地問題等の時事問題や地域の問題、速報性の社会事象等を取り上げ、自分の感想や意見等も書かれ内容がゆたかで感動しました。

 
レイアウトや見出し、データの使い方などが毎年良くなってきており、先生方の指導も行き届いてきたものと感じています。特に南風原中学校の生徒の新聞は、見出しのレタリングがすばらしく、美術科とタイアップした新聞作りが目に留まりました。

 
課題としては、インターネットや書籍等からの資料をいかに自分の言葉でまとめること。また、フットワークを活(い)かし、自ら調査したり、インタビューをもとにした新聞作りなどがあげられます。デザイン性はあるが、中身が物足りない面も課題の一つです。

 
最後に、新聞作りは、社会科で学んだ力にとどまらず、国語科、美術科、技術科等多くの教科で学んだ力が活かされるものです。今後も読み手にしっかり内容が伝わる新聞作りが、各学校で取り組まれることを期待いたします。

審査講評(デジタル新聞)

多様な表現で夢育成を

審査委員長 宮城盛雄(マルチメディア教育研究会会長、宜野湾市教育委員会指導部長)

 本年度より開始のデジタル新聞部門には、県内小学校から231点の表現力豊かな作品が寄せられ、3つの視点で審査にあたりました。

 
(1)内容面では、総合的な学習や社会科およびその発展的学習としての環境・地域・食・行事をテーマとした作品が多く、じかに自分の足やインターネットで調べ、生活を見直し、行動化につなげようとする意欲がみられました。また、全学級に号外版を配布し、学校全体の環境問題に発展させる取り組みには感心しました。今後は、さらに、身近な動植物や地域の伝統文化に目を向けさせるのも良いでしょう。

 
(2)表現面では、読み手を惹(ひ)きつけるカラフルな見出し、写真やグラフ・記事等の見やすいレイアウトに工夫が見られました。しかし、写真とイラストが偏っていたり、段組がそろってない等の課題もあり、バランス良いレイアウト・段組の工夫が期待されます。

 
(3)意見・感想の面では、調べる中で強く感じたことや思いが表され、伝えようとする意志の成長がうかがえました。課題としては、情報モラル(個人情報)や著作権(引用表示の有無等)の丁寧な指導が必要となります。

 
新聞作成は、応用力・社会的思考力育成の場、なお一層、読み・書きの力と新聞記事の基本である「5W1H」を基盤に、多様なデジタル機能を駆使した作成により子どもたちの伝えあう力を通した夢育成を期待します。

入賞作品紹介

小学校壁新聞部門
琉球新報社長賞
[3年の部]

根間恒太朗、大城壱騎、大城千佐登、山下志穂、佐野智一、仲村安祝(潮平小学校)「わくわく新聞」

小学校壁新聞部門
琉球新報社長賞
[4年の部]

具志堅ただのり、下地れい、黒島まゆみ、田本彩美、平良正太(真喜良小学校)「石垣新聞」

小学校壁新聞部門
琉球新報社長賞
[5年の部]

山城昇平、平安座龍太、崎原菜生、松根立樹、玉城朱理(嘉数小学校)「昔と今の再利用」

小学校壁新聞部門
琉球新報社長賞
[6年の部]

嘉数昇之、照屋貴之(嘉数小学校)「サン美ら新聞」

中学校社会科
新聞部門
琉球新報社長賞

山川美織(南風原中学校3年)「海の熱帯林」

中学校社会科新聞部門
会長賞

松堂玲美(久米島西中学校3年)「KUMEJIMA」

中学校社会科新聞部門
会長賞

小橋川真未(南風原中学校3年)「基地問題」

中学校社会科新聞部門
会長賞

小波津秋乃(西原中学校3年)「自由権news paper」

デジタル新聞部門
琉球新報社長賞

新垣晴太郎(奥小学校4年)「聞き取り新聞」

デジタル新聞部門
スズキ教育ソフト賞

森山優衣(美原小学校4年)「沖縄新聞」

デジタル新聞部門
ジャストシステム賞

大城弘貴(嘉数小学校4年)「もうどう犬新聞」