社長挨拶


社長メッセージ




混沌とした社会で時代を切り開こう











希望と意欲に満ちた若い皆さん。
琉球新報社は1893(明治26)年の創刊以来
沖縄を代表する新聞社として明治、大正、昭和、平成の
4時代115 年にわたって新聞づくりに励んでまいりました。


琉球新報社の歴史は栄光と苦難の連続でした。
文明開化を告げる役割を担ってスタートし、軍国主義が進む中、
国家政策による3紙統合、軍部による言論統制、沖縄戦の惨禍、
戦後の「うるま新報」から「琉球新報」への復元改題、
米国統治、本土復帰…と、世替わりに振り回されながらも、
「時代の証人」「社会を映す鏡」として沖縄の諸問題を掘り下げ、
多角的に報道してきました。


報道には沖縄に立脚したローカル、
国際社会にも目を向けたグローバルの
両方を合わせもった「グローカル」の姿勢をとっています。
戦後60年の2005 年は企画報道『沖縄戦新聞』が日本新聞協会賞、
石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞を受賞しました。
日本新聞協会賞は3 回受賞しています。


「報道の自由と公正を期し、恒久平和の確立に寄与する」ためには
新聞社は健全な財政の維持、
IT時代にマッチしたシステムの整備などが求められます。
しかし、いかに素晴らしいビルが建ち、設備が近代化されようとも、
これすなわち道具にすぎません。
特にIT時代だからこそ、活字を基盤とする新聞は
フェイスtoフェイスを基本に人間主義の再生に向けて
進まねばならないと考えています。


わが社の最大の財産は社員と読者です。


国内外はもとより県内も先の読めない混沌とした状況にあります。
そのような社会にあって、他者を思いやる心と人権感覚を持ち、
自らの足で歩き、現実から目をそらさず試行錯誤しながらも
時代を切り開いていく、たくましい諸君を求めています。
だからこそ、琉球新報社はペーパーテストの点数だけではなく、
個性、人間性に視点を当て、ともに歩む人材が
門戸を叩いてくれることに期待しています。


代表取締役社長 比嘉辰博