興南高の宮城大弥投手(志真志小―嘉数中)が、オリックスバファローズ1位指名を獲得した。宮城は「本当にただうれしい。若い選手が多いチーム。そうした若手に負けないよう、一軍レギュラーに入れるよう頑張りたい」とほっとした表情を浮かべ、1位指名を喜んだ。
野球部寮でドラフト会議のテレビ中継に釘付けになっていた。「甲子園より緊張する」。各球団が1位指名を終えるたび、深呼吸しその時を待った。
自身の名前が発表されると笑顔を浮かべ、後ろで吉報を待つ仲間に小さく会釈し、隣に座る母・礼子さんの手をぎゅっと握った。幼少期から宮城を支えてきた礼子さんはこぼれ落ちる涙を抑えきれずハンカチで何度も頰をぬぐった。「生活が大変な時も大弥は『絶対恩返しするから』と頑張ってきた」と門出を喜んだ。
「負けた試合から学ぶことが多かった」。2年の秋季九州大会は、筑陽学園(福岡)との準々決勝でサヨナラ負けだった。「あの試合があったからこそ、レベルが上がったと実感している」。悔しさを原動力に一つ一つ階段を駆け上がってきた。
憧れは、山本昌さんのような「息の長い選手になりたい」と息巻く。「直球の切れや変化球の速度を大事にしたい。コースにも細かな変化を取り入れたい」とプロ2年目での一軍入りを目標に掲げる。
「夢や希望を与えられるような選手になりたい」。将来を語る表情に自信がみなぎっていた。