川の上流から「どんぶらこ」と流されてきたカメを助けたら…天然記念物のリュウキュウヤマガメだった! 「カメの恩返しがあるといいな」


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保護されたリュウキュウヤマガメ

 【名護】助けたカメは天然記念物! 名護市源河の源河川で22日、釣りをしていた小橋川琉歌(るか)さん(13)、叶望(かなた)さん(7)、翔愛(とうあ)さん(5)きょうだいが、流されていた国指定天然記念物で絶滅危惧種のリュウキュウヤマガメを保護した。琉歌さんは「赤くて見たことがないカメだった。天然記念物だなんて驚いた」と話した。

国指定天然記念物で絶滅危惧種のリュウキュウヤマガメを保護した(左から)小橋川叶望さん、琉歌さん、翔愛さん=22日午後、名護市源河

 リュウキュウヤマガメは沖縄の固有種で希少なカメ。陸生で、低地から山地にかけての森林などに生息する。落ち葉のような甲羅と赤みを帯びた体が特徴。捕獲や飼育は禁止されている。環境省のレッドリストに絶滅危惧種(VU)として指定されている。

 琉歌さんたちが釣りをしていたところ、上流から「どんぶらこ」と海に向かって流されてくるカメを見付けた。泳げずにあがいており、持っていた手網で“救い”上げた。琉歌さんは「カメの恩返しがあればいいな」と笑った。

 救出されたヤマガメは名護自然動植物公園「ネオパークオキナワ」が一時保護した。宇栄原郁夫園長代理によると体長約15センチのオスで左目を失っているが健康状態は良好だという。宇栄原さんは「水生じゃないので流され続けたら死んでいた。ラッキーなカメだよ」と笑顔で話した。
 (佐野真慈)