沖縄・南大東島で最大瞬間風速51.6メートルを記録した台風10号。沖縄県では観測史上2回、風速80メートルを超す風を記録している。
最初は1966年の「第2宮古島台風」。54年前の9月5日、観測史上歴代2位の最大瞬間風速85.3メートルを記録した。宮古島では住宅90%が全半壊、農作物全滅、重軽傷22人という甚大な被害が出た。
風速85.3メートルは時速に換算すると307キロで、日本一速いとされる新幹線「はやぶさ」の最高速に迫る。ちなみに歴代1位は1966年9月25日の富士山で、風速91.0メートル。
もう1回は、2015年9月28日の台風21号。与那国島で瞬間最大風速81.1メートルが記録されており、こちらは観測史上4位。住宅の被害は322戸(全壊10戸)、電柱40本以上が折れ、農作物を合わせた被害額は1億円を超え、固定電話の不通も長いこと続いた。
風速ではこの二つの台風には及ばないが、2001年の台風16号は久米島で最大瞬間風速50.8メートル、期間降水量967.5ミリの記録的な大雨を記録した。渡名喜島の渡名喜小中学校の体育館は屋根を吹き飛ばされた。
2003年9月11日の宮古を襲った台風14号は、最大瞬間風速74.1メートル、最低気圧は912ヘクトパスカルを記録。強風で割れたガラスなどで1人死亡、93人が重軽傷を負った。宮古島地方の全世帯の96%に当たる2万900世帯で停電した。
910ヘクトパスカルで沖縄本島を直撃したのは2012年8月26日の台風15号。南大東村で最大瞬間風速40.1メートル、名護市でも38.1メートルを観測し、1万戸以上が停電した。同じ年の9月28、29日に石垣、宮古両島や沖縄本島近くを通過した台風17号では、87人が重軽傷を負い、一時、県内の全世帯の過半数となる約33万4400戸が停電した。最大瞬間風速は那覇市で61.2メートルを観測した。