聖火、ケラマブルーの海を駆ける 島の中学生がサバニこぎ 座間味村


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座間味村の海上で、手こぎ舟「サバニ」に乗り込み市村陽二さん(右)から聖火を引き継ぐ尚玄さん=2日午後(代表撮影)

 【座間味】太陽の光がきらきらと降り注ぐ「ケラマブルー」の海を行く平和の火―。座間味村では帆掛けサバニでトーチをつないだ。会場となった古座間味ビーチには多くの村民らが集まり、歴史的な瞬間を見届けた。

 トーチを掲げたのは県出身の俳優、尚玄さん(42)と村内で黒真珠の養殖業を営む市村陽二さん(68)。サバニは、帆走レースで使用される「ざまみ丸」と「海学校」の2艇で、地元の男性や座間味中学校の3年生らが力強くこいだ。「海学校」に乗った尚玄さんは「ざまみ丸」に乗る市村さんと海上で「トーチキス」を交わし、聖火をつないだ。ビーチは大きな拍手と喜びの声であふれ、地元のフラチームや「阿嘉・慶留間くじら太鼓」も応援した。子どもと一緒に訪れた垣花春菜さん(36)は「美しい座間味の海で聖火リレーが見られ、村民として誇らしい」と話した。

 大役を終えた尚玄さんは「中学生がサバニをこぐ時の掛け声と聖火で一つの思いをつなぐことができた」と目を輝かせた。サバニをこいだ中村澄海(すかい)さん(14)は「無事に聖火をつなぐことができた」とほっとした様子。かじ取りをした糸嶺好海(このみ)さん(14)は「最高の思い出になった」と喜んだ。