【南城】建設業で左官として働いてきた南城市知念字知念の糸数幸雄さん(85)はセメントで食卓や切り株のオブジェなどを手作りし、それを飾り付けた庭が地域で話題だ。糸数さんの住宅は国道331号沿いにあり、住宅裏側に急勾配の庭が広がる。近くを通る人は「見事に造られた庭だ」と目を奪われる。
庭には歩いて回れるように石畳を敷いた。階段の左右には木の年輪をデザインしてセメントで固め、そばの植栽が見る人の心を癒やしてくれる。食卓の周りにもセメントで作った椅子を並べ、家族そろって食事を楽しめるようにした。
最近取り組んでいるのは、北海道の知人から送られた本物のシカの角を使った作品だ。角は長さ80センチほどで、2本ある。セメントで作ったシカの頭に角を取り付け、玄関前に展示している。
その出来栄えに、一つ2万円で買い求める人もいるという。南城市新開の農産物販売所でも販売され話題を集めた。
糸数さんは5年越しに開催される区の伝統行事の大綱曳きで、大綱に乗って行事を盛り上げる「支度」の用具も作っており、区民から喜ばれている。
(知花幸栄通信員)