「見事な庭」国道沿いで話題 切り株のオブジェやシカの角も 光る左官の技


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糸数幸雄さんが仕事の合間に得意な左官の技術を生かして作った庭=7月13日、南城市知念字知念

 【南城】建設業で左官として働いてきた南城市知念字知念の糸数幸雄さん(85)はセメントで食卓や切り株のオブジェなどを手作りし、それを飾り付けた庭が地域で話題だ。糸数さんの住宅は国道331号沿いにあり、住宅裏側に急勾配の庭が広がる。近くを通る人は「見事に造られた庭だ」と目を奪われる。

 庭には歩いて回れるように石畳を敷いた。階段の左右には木の年輪をデザインしてセメントで固め、そばの植栽が見る人の心を癒やしてくれる。食卓の周りにもセメントで作った椅子を並べ、家族そろって食事を楽しめるようにした。

北海道の知人から送られてきた大きなシカの角を手作りの頭に取り着けた装飾作品

 最近取り組んでいるのは、北海道の知人から送られた本物のシカの角を使った作品だ。角は長さ80センチほどで、2本ある。セメントで作ったシカの頭に角を取り付け、玄関前に展示している。

 その出来栄えに、一つ2万円で買い求める人もいるという。南城市新開の農産物販売所でも販売され話題を集めた。

 糸数さんは5年越しに開催される区の伝統行事の大綱曳きで、大綱に乗って行事を盛り上げる「支度」の用具も作っており、区民から喜ばれている。
 (知花幸栄通信員)