宮沢和史、夏川りみ、大城クラウディアが沖縄の名曲や民謡を届ける「沖縄からの風コンサート2021」が23日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールで開かれた。宮沢が公演のために書き下ろしたオリジナル曲「沖縄からの風」や、THE BOOMの「島唄」、「シンカヌチャー」など3人が生み出すハーモニーが心地良く、沖縄音楽の新たな可能性を提示した。
幕開けに3人で「島々清(かい)しゃ~芭蕉布」を披露した。夏川と大城の澄み切った歌声と宮沢の渋みのある歌とハーモニカの音色が重なるように融合した。「コロナで沖縄に来られない時間が続いているが、この日が来るのを楽しみにしていた」(宮沢)、「沖縄で歌える喜びを感じる」(夏川)、「お客さんの顔を見て歌えるのが幸せ」(大城)とあいさつし、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
「涙そうそう」や「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」などを披露した夏川は、故郷八重山の古典民謡「あがろーざ節」を研ぎ澄まされた高らかな歌声と三線の音色で引き込んだ。大城はオリジナル曲「美しい島」を披露し、観客の手拍子に乗せて宮古民謡「與那武岳金兄小(ゆなんむだきかにすざがま)」を軽快に演奏した。
宮沢はTHE BOOMのヒット曲「からたち野道」をソロで歌った。夏川に楽曲提供した「愛(かな)よ愛(かな)よ」を夏川と一緒に披露し、思い入れが強くあるという沖縄民謡「南洋小唄」や、我如古より子をイメージして作曲した「あの海へ帰りたい」を歌った。「ちむぐり唄者」は観客も身体を揺らしながら聴き入った。
宮沢は「『島唄』が工工四に掲載され沖縄の名曲の一つに入れていただけた時ほど、うれしいことはなかった」と喜びを語った。終盤に3人で三板や三線、打楽器の音色がリズミカルな「ハリクヤマク」、「南へ」を披露し会場を一段と盛り上げた。
トリはゲストの琉球國祭り太鼓のエイサー演舞と「島唄」を演奏。アンコールには宮沢の書き下ろしたテーマソング「沖縄からの風」を爽やかに歌い、「シンカヌチャー」で幕を閉じた。12月8日には3人のプロジェクトとして初のCD「沖縄からの風」(よしもとミュージック)が発売される。