フクロウぐったり、中学校に…希少リュウキュウアオバズク 教員ら保護、元気に


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 沖縄県那覇市金城の金城中学校で2日、県のレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されているリュウキュウアオバズクが弱った状態で見つかり、教員らが保護して動物病院に運んだ。目を開けず、ぐったりとした様子に教員らは戸惑ったが、動物病院で回復し、5日に放鳥される見込み。珍客の回復を喜びつつ「フクロウの恩返しがあるかな」と期待する声も聞こえた。

金城中で見つかった準絶滅危惧種のリュウキュウアオバズク。弱った様子で、目を閉じてじっとしていた=2日、那覇市の金城中(同中学提供)

 2日午前8時前。校門横で朝の登校指導をしていた教員が、草むらにうずくまる鳥を発見した。「フクロウがいる」との知らせに、集まった教員らは「那覇市内に野生のフクロウなんているのか」と不思議に思ったが、衰弱した様子を見て慌てた。

 養護教諭の石田祥子さん(50)がフェイスブックに写真を投稿し、保護した場合の連絡先や鳥の種類を尋ねたところ、準絶滅危惧種のリュウキュウアオバズクと判明。思いがけない珍客に、教職員はさらに動揺した。体育教師の砂邊昭利さん(51)が市内の動物病院に連絡し、2時間後には病院へ送り届けた。

 学校が3日に動物病院に問い合わせると、鳥は元気に回復していて、5日に放鳥するという。石田さんらは「ほっとした」と笑顔を見せた。

 砂邊さんは「実はね、続きの話があるんだ」と神妙な顔を見せた。「保護したことを帰宅して妻に話したら、偶然にもフクロウをモチーフにしたネイルアートをしていた」という。「偶然にしてはできすぎている。福を運んでくれるに違いない」と、人一倍恩返しを期待している。
 (嘉数陽)


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