手作りひなで桃の節句 名護の喫茶店「ふくろうの家」 作った人形は500体「季節の雰囲気楽しんで」


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手作りしたひな人形に囲まれる玉那覇敏枝さん=2月28日、名護市済井出の「ふくろうの家」

 【名護】沖縄県名護市済井出の喫茶店「ふくろうの家」を経営する玉那覇敏枝さん(76)が、3月3日のひな祭りに合わせて手作りのひな人形を店内に展示している。これまで作った人形は約500体。桃の節句の雰囲気を味わおうと、県内各地から屋我地島に足を運ぶ人も。玉那覇さんは「季節の雰囲気を楽しんでもらえれば」と笑顔を見せる。

 玉那覇さんは済井出で生まれ育った。結婚を機に西原町に移り住み、県立病院の看護師として定年まで勤めた。両親が他界したことを機に、実家を改装してパン教室や喫茶店を開業した。

 ひな人形を作り始めたのは約10年前。「うるま市でひな人形を手作りしている松野末子さんを紹介する新聞記事をたまたま読み、私のお客さんと一緒に訪ねた」ことがきっかけだという。松野さんからひな人形作りの手ほどきを受け、自分でも作り始めた。

 穏やかな表情を浮かべるおひなさまに平安時代の宮中衣装を着せたほか、五人囃子(ばやし)の太鼓や豪華なみこし、重箱の中の料理などは全て手作り。繊細な手仕事のファンになった県内の常連客にとどまらず、情報を聞きつけた国内外の観光客が訪れることもある。

 ひな人形のほか、店の名前にもしているフクロウの人形や置物も多数展示する。宮古島で勤務していた50代の頃に友人や知人から譲られて以降、たくさんの人が珍しいフクロウの置物を運んでくれるようになった。

 玉那覇さんは「不思議な縁をフクロウが運んできてくれる。ひな祭りだけでなくハロウィーンやクリスマスなど、季節ごとの行事に合わせた展示や料理を楽しんでほしい」と話した。
 (松堂秀樹、写真も)