「非常に貴重」アオウミガメの繁殖行動を撮影 交尾中に別の雄も待機【動画あり】


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交尾する雄雌2頭のそばで待機する雄のウミガメ=15日午前11時半ごろ、多良間村の前泊港浮桟橋付近

 【多良間】多良間村の前泊港で15日、絶滅危惧種アオウミガメの繁殖行動が確認された。清村めぐみ本紙通信員が撮影した。沖縄美ら島財団によると交尾中の雄と雌に、別の雄がさらに交尾しようと待機している状況で、学術的に非常に貴重という。

 沖縄美ら島財団水族館管理部海獣課長の河津勲さんによると、アオウミガメの交尾は県内の沿岸部で発見されることがあるが報告例は少ない。「ウミガメは複数の雄と交尾する複数父性の生物。映像では別の雄が交尾を狙っている様子も確認できる」と話した。繁殖行動での、雌の様子も細かく確認できることから「ここまで分析ができる資料はほとんどなく、学術的にも貴重」と解説した。

 交尾から約1カ月後に産卵するため、このアオウミガメが県内海域で産卵することも想定される。河津さんは「安心して産卵できる砂浜環境を維持することが最も重要だ」と語った。アオウミガメは熱帯・亜熱帯の海域に生息するカメ目ウミガメ科に分類される大型のウミガメ。大きい個体は体重300キロを超える。
 (佐野真慈)