コザ 花園切符 全国高校ラグビー県予選


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決勝 コザ-名護 前半8分、ラックから抜け出してトライを決めるコザの友寄裕貴(右)=6日、名護21世紀の森ラグビー場(屋嘉部長将撮影)

 ラグビーの第95回全国高校大会沖縄県予選最終日は6日、名護21世紀の森ラグビー場で決勝があり、4年連続で同じ組み合わせとなった対戦はコザが29-22で名護を破り、2年連続14度目の花園切符をつかんだ。コザは12月27日から大阪の近鉄花園ラグビー場で開かれる全国大会へ出場する。コザは前半を15-12で折り返し、後半は2トライ2ゴールを決めてリードを広げた。終了間際に名護に2トライを決められたが逃げ切った。

戦術貫き 精神力発揮/コザ
 11月とは思えない日差しの下、決勝にふさわしい熱戦だった。軍配は攻守で自分たちの戦術を貫いたコザに上がった。県新人大会、県総体、名護市長杯に続いて宿敵を退け、主将の松島颯は「苦しかったけど楽しい試合だった」と笑った。
 前半は先行しながらミスから相手にトライを許し、嫌な流れになりかけた。だが、動じず笑顔でプレーを心掛けた。後半9分にスクラムから右へ展開してSO又吉恒太がトライ。26分にはラインアウトから抜け出したSH松田力が中央のゴールラインへ飛び込んだ。トライ後のゴールキックも二つとも決まり、相手を突き放した。
 FW陣が素早い反応と激しいタックルで体格差を補い、バックス陣は相手防御の穴を見極めて一気に仕掛けた。我慢比べでミスをせず、ボールを保持し続けたことでチャンスを作り出した。
 高校日本代表の當眞琢(現帝京大)を擁した前チームに比べFWは小柄だ。「小さいのは小さいなりに。運動量で勝てばいい」とLO友寄裕貴。練習では低い姿勢でのプレーを磨き、基本動作の徹底も黙々とこなした。「割り切る強さ」が試合中の精神力にもつながっているのだろう。
 昨年の花園は2回戦でシード校に1トライしか奪えず完敗した。今季けがに泣いた松島も完全復帰し「万全なチーム状態で臨めば通用する。全国のシード校を倒したい」。プライドを懸けた挑戦の幕は、上がったばかりだ。
(大城周子)