中学1年の新里さん、こども陶芸展で全国最高賞 「戦争と平和」を表現 4度目の挑戦


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新里 采恩さん

 【糸満】全国の小中学生による陶芸作品を公募する「第22回全国こども陶芸展inかさま」(茨城新聞社など主催)の作品審査でこのほど、糸満市立三和中学校1年の新里采恩(さいおん)さん(12)が最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した。県内からの同賞受賞は初めて。

 小学1~3年、同4~6年、中学の3部門に1274の応募があり、全部門通じて1点の内閣総理大臣賞と、各部門で入賞150点が選ばれた。

 新里さんの作品「家を守り立ち続けるヒンプンの見た戦争と平和の歴史」は、沖縄戦で受けた弾痕が残る近所の塀「ヒンプン」を題材に、戦争と平和を40センチ四方の大作で表現した。

新里采恩さんの作品「家を守り立ち続けるヒンプンの見た戦争と平和の歴史」表面(新里義和さん提供)

 作品の表面は、両手を広げ「平」の字を作る親子と「いつまでも続く喜び」を意味する花「ヘリクリサム」で「平和」を表現した。「戦争」を表す裏面は、倒れ込んだ人の姿で「悲」の字と、今も沖縄に残る戦争遺骨を砂やガラスも用いて創作した。戦争と平和についての世界観を、ストーリー性を持たせ創作した表現力が評価された。

 新里さんは「戦争と平和、どちらに向かうかは私たちの行動次第だ」と語る。同展へ4度目の挑戦での最高賞獲得に「大臣賞を目指していたのでうれしい。これからも創作を続け、世界の人に戦争と平和について伝えたい」と意気込んだ。

 県内からは、具志頭中3年の梅津琉太郎さんも特別賞「笠間市長賞」に選ばれた。(岩切美穂)