【西原】西原町の西原中学校は1学級で一つの黒板アートを仕上げる「第1回黒板アートグランプリ」を開催した。1日に行われた文化祭の一環で、生徒会が呼び掛け、1年から3年の全17クラスと美術部が参加した。企画したのは生徒会と美術部顧問の伊志嶺澄人教諭(39)で、美術部は来年3月に定年退職する平良明教諭(60)=国語科=をそっくりに描き、教諭にアートでエールを送った。
黒板アートは白、赤、黄色、青、緑、茶、オレンジ、紫の8色のチョークを使用し、指でぼかしたりウエットティッシュなどで輪郭をかたどったりして仕上げる。下地となる黒板の緑色を生かし、大きく描くのがこつという。各クラス2~3日で仕上げた。
各学年グランプリ1学級、準グランプリ2学級を伊志嶺教諭が選んた。アニメや漫画を題材にしたクラスが多く、3年のグランプリを受賞した3年2組は「進撃の2組」の文字の書体も美術の時間に学んだレタリングを生かして描いた。
美術部は来年定年退職する平良教諭の似顔絵を描き、還暦を祝うケーキを描いた。メンバーは「他のクラスに負けない作品にするにはアニメとかではなく、リアルな作品にしよう」と話し合い、校内でも人気のある平良教諭を描いた。他の作品は全て消去されたが、美術部が描いた作品は、特別教室のため今も消されずに残っている。
美術部の喜納碧(あおい)さん(15)は「みんなとの共同制作が楽しかった」と話し、仲宗根萌さん(15)は「ケーキのろうそくは青と白を混ぜて描くなど工夫した」と語った。
平良教諭は「悔しいけど、似ている」とうれしそうに話していた。