伊波氏が大勝、沖縄相・島尻氏に10万票差 参院選沖縄選挙区 辺野古、安倍政権にノー


この記事を書いた人 新里 哲
当選が確実となり、支持者と一緒に万歳をする伊波洋一氏(前列中央)=10日午後8時28分、那覇市古島の教育福祉会館(金城実倫撮影)

 第24回参院選は10日、投開票が行われ、沖縄選挙区は無所属新人で元宜野湾市長の伊波洋一氏(64)が35万6355票を獲得し、初当選した。24万9955票だった自民現職で沖縄担当相の島尻安伊子氏(51)=公明推薦=に10万6400票の大差をつけた。伊波氏の勝利により、参院沖縄選挙区の非改選1議席と衆院小選挙区の4議席を含め、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する「オール沖縄」勢力が国会の沖縄選挙区の全議席を独占する形となった。全国的に自民党が躍進する中、辺野古移設や憲法改正を推し進める安倍政権に対し、県内有権者は厳しい審判を下した。

 伊波氏は「基地のない平和な沖縄を」をキャッチフレーズに辺野古の新基地建設断念を前面に押し出し、支持を広げた。県政与党、那覇市議会会派の新風会、労組、一部経済界などでまとまる「オール沖縄」の全面支援を受けたほか、高い支持率を維持する翁長雄志知事との連携姿勢を打ち出したことで、保守層の一部も取り込んだ。宜野湾市長時代に取り組んだ福祉政策や県政が掲げる経済振興策への協調姿勢も訴え、無党派層にも浸透した。

 島尻氏は保守の県議や首長、経済界などを中心に運動を広げたが、2期目の当選を果たした2010年選挙で公約に掲げた普天間飛行場の県外移設を撤回したことに対する反発が強く、序盤から苦戦した。

 選挙戦では経済振興や子どもの貧困解消に向けた予算確保など現職閣僚としての実績を強調したが、4月に発生した米軍属女性暴行殺人事件も県民の反基地感情を強め、保守層の一部も離れた。

 幸福実現新人の金城竜郎氏(52)は9937票だった。

 投票率は前回の13年参院選の53・43%から1・03ポイント上がり、54・46%となった。当日有権者(在外含む)は115万806人(男性56万368人、女性59万438人)だった。

英文へ→Anti-US base at Henoko candidate Iha wins massive victory defeating state minister Shimajiri in Upper House election