【宜野座】4本足で立つその姿から、躍動感が感じられるシーサー。このシーサーを生んだのは宜野座村松田で創作活動を続ける陶芸家の宮城秀雄さん(77)。宮城さんのシーサーは九州沖縄サミット首脳会談会合が開かれた際に、当時の米クリントン大統領夫妻に贈呈された。その時の感謝状は宮城さんの家の居間に飾られている。
「人を支える土がこんなきれいな物になるのか、と感動した」。宮城さんは20代前半で陶芸に出会い、その美しさに魅了されて、独学で学び始める。枠にとらわれない創作は4本立ちのシーサーやだるまのようなシーサーなど、独創的な作品を生んできた。
その作品の評価は高く、沖縄市産業まつりや沖展などで入選から最優秀賞など幾度も受賞している。2008年には新日本美術院の最高顧問賞、日本文化振興会から国際芸術文化賞を受賞した。
13年まで制作の拠点は沖縄市美里だったが、同年に古里である宜野座村松田に移した。障がい者の就労支援として2年間、13人の障がい者にシーサー作りを伝授した。宮城さんは「彼らの心は純粋で、とても魅力的なシーサーができる」と太鼓判を押す。加えて「シーサー作りにうまい、下手はない。心を込めて作れば、それを気に入ってくれる人がいる」と語る。
宮城さんはシーサー作りを通してさまざまな人に出会い、そのことに深く感謝している。「沖縄の人がシーサーを大切にしてくれるから、沖縄にシーサーが根付いている。私はこれまで独学でシーサーを作ってきたが、私の先生は常に一般のお客さんだった」とほほ笑んだ。