ハブ捕り名犬“お手柄” 希少ヤシガニ発見


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ヤシガニを捕まえたハッチーと飼い主の當真嗣満さん=10月18日、うるま市勝連平安名

 【うるま】うるま市勝連平安名の當真嗣満さん(65)の愛犬で、ハブ捕りの名犬として知られるハッチーが、散歩コースでヤシガニを見つけた。地域ではすっかり姿を見掛けなくなっていたヤシガニだけに、當真さんは「まだいたなんて信じられなかった」と驚いた。

 ヤシガニは10月17日午後7時前の散歩中に見つかった。うるま市役所勝連庁舎付近の草むらから「ザザッとする音が聞こえた。ハッチーが近寄っていくと、いつも見るカニとは全然違う姿が見えた」という。

 捕まえたところヤシガニ。當真さんは「新聞配達の人が以前、道路上にヤシガニがいるのを見た、と話していたのを聞いていたが、まさかこんな近くで見つけるとは」と仰天している。

 ヤシガニの体長は20センチほど。雌で卵を抱えており、満月を前に海へ産卵にいく途中だったのでは、とみている。ヤシガニは県の絶滅危惧種2種に指定されている。

 うるま市立海の文化資料館の前田一舟さんによると、伊計島などでは時々見つけることができ、平安名地域でも生息域としては適しているという。めっきり個体数は減少していたとみられていたが「生息する環境条件が徐々に改善し、生息域が回復してきたのなら、うれしいこと」と話した。