【豊見城】12年間、ありがとう―。豊見城市立とよみ小学校の仲西花音(かのん)さん(12)が、姉のあかりさん(18)から受け継いだランドセルを使い続け、23日に小学校を卒業した。姉妹は「最後まで使うことができて良かった」とぼろぼろのランドセルに感謝の思いを込めた。
ランドセルはあかりさんが小学校に入学した2005年、母方の祖母に買ってもらった。「普段から妹にお下がりをあげていて、服や身の回りの物を大切に使う習慣が身に付いていた」というあかりさん。卒業時にはランドセルはまだまだきれいな状態だった。
その後、父の幸治さん(47)から「お姉ちゃんのランドセルを使ってみないか」と言われた花音さん。「最初は新しいランドセルがほしいと思っていたが、代わりにゲーム機を買ってくれると言われてOKした」と照れ笑いした。
姉のランドセルを使っていると、周りから「お姉ちゃんのランドセル使っててすごいね」「意外ときれいだね」などと言われ「姉にありがとうと思った」という花音さん。卒業までにベルト部分などが合計5回切れたが、幸治さんに補修してもらって使い続けた。
幸治さんは「自然と物を大切にする心を身に付けてくれた」と喜んだ。
花音さんは「ここまで来たら最後まで使おうと思った。姉が何でも大切に使っていたので、自分もそうしようと思うようになった」、あかりさんは「妹がちゃんと最後まで使ってくれてうれしい」と笑顔で語った。
仲西姉妹は県内では知る人ぞ知る剣道3きょうだいの長女と次女。あかりさんは4月から大分の別府大学へ、花音さんは浦添中学校へ入学し、剣道の技を磨く。あかりさんは「レギュラーを取って全国で優勝したい。小学校の先生になりたいので資格取得も頑張りたい」、花音さんは「1年生でレギュラー入りが目標で、成績でも学年で20位以内を目指したい」と新天地での飛躍を誓った。