福島のアジサイ 開花 株分け「孫育てるように」


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 【北中城】「奇跡のアジサイ」が北中城村内で花開いた。「奇跡のアジサイ」は、東日本大震災で被災し、決壊した福島県須賀川市の藤沼ダムの湖底で見つかったアジサイのことで、地元の長沼商工会が全国で“里親”を募集し、株分けをしている。沖縄県北中城村は県内の自治体としては唯一、“里親”になっており、昨年から村内で育てている。

花開いた奇跡のアジサイを前に笑顔を見せる比嘉初子さん=6日、北中城村和仁屋の比嘉さん宅
「孫のように育てた」という比嘉初子さんが咲かせた奇跡のアジサイ

 北中城村の村民有志でつくるYORISOI隊が、東日本大震災で被災した福島県で支援活動を続けていることがきっかけで、2016年に北中城村はアジサイの“里親”となった。アジサイは村役場の敷地内と、村和仁屋の比嘉初子さん(70)の自宅で咲いた。通常は2年で開花とされているが、1年で開花した。

 村の取り組みに賛同し、村から株分けされたアジサイを育てた比嘉さんは「孫を育てるように大切に育てた。強い日差しが出れば影に移動し、雨が降ればカバーで覆った。福島県から遠く離れた沖縄でも咲かせることができて良かった」と笑顔を見せた。

 YORISOI隊の大城健キャプテンは「福島を継続的に支援したおかげでつながった縁だ。沖縄で咲いたことが、東日本大震災の犠牲者の魂を喜ばせてくれるといい」と喜んだ。

 長沼商工会の担当者は「アジサイで沖縄とつながることはすごい。今後も広めてもらって、機会があればこちらにも来てほしい」と話した。