太鼓たたき邪気払い 国頭村安田で国重要無形文化財「シヌグ」


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「一日神」となって下山し、邪気を払いながら集落へ向かう男性たち=28日午後、国頭村安田(新里圭蔵撮影)

 【国頭】国の重要無形民俗文化財に指定されていて400年近く続く沖縄県国頭村安田の伝統祭事「シヌグ」が28日、行われた。つる草や草木を身にまとった男性が「一日神」となり、山に登って邪気を払う「山ヌブイ」のほか、女性らが独特な神踊りを披露する「ウシンデーク」などが行われた。

 安田のシヌグは、県内でも古来からの姿が残っている伝統的な行事。山に入れるのは男性のみで、花やわらで編んだ冠をかぶった男性たちは正午ごろ、集落の「メーバ」「ヤマナス」「ササ」の三つの山にそれぞれ入った。大太鼓のリズムに合わせ、悪霊を集めて退散させる意味を込めた「エーヘーホーイ」の掛け声を繰り返し、集落を練り歩いた。

 集落で待ち構えていた女性たちは、男性につる草や草木で頭をはたかれて邪気払いをした。太鼓をたたいて山から下りてきた古堅安英さん(85)は「最高ですね。体が続く限り続けたい」と語った。