繁栄願う ウンジャミ 国頭・与那 神を歓待、厳かに


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 【国頭】国の重要無形民俗文化財である、ウンジャミ(海神祭)行事が9日、国頭村与那区(宮城忠信区長)で行われ、五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災を願った。この行事は、旧盆明けの亥(い)の日に毎年行われる。

神様に供えるシブイ(冬瓜)で作ったイノシシを前に、海に向かって祈願する神人たち=9日、与那海浜

 当日は、神人の2人がヌンドゥンチ(祝殿内)で待機。準備が整った午後4時ごろ、神人が合図の太鼓に導かれて儀礼が行われるアサギマーへ着くと、アサギで神人による祈願が行われ、宮城区長をはじめ各門中の代表者から盃(さかずき)とご祝儀を受けた。

 儀礼の始まりは、集落東側にあるウンコイの間で東の山に向かって祈願し、神様をお迎えする。砂が敷かれた場所を弓で砂を突きながら「ウンコイ、ウンコイ(寝ている神様を起こす)」と3度唱えながら、左に7度回る。

 アサギマーに戻ると「船漕(こ)ぎ」「イノシシ狩り」「魚獲り」の儀礼が行われ、シブイ(冬瓜)で作られた「イノシシ」を弓で射止める役を、今年は神山泰志さん(25)が務めた。また、船漕ぎには宮城優士さん(28)、津波敏希さん(20)、魚獲りには区の小学生の子どもたちがそれぞれの役をこなした。

 アサギマーでの儀礼が終わり、合図の太鼓を先頭に、仕留めたイノシシを担いだ子どもたち、神人、参加者の順番で行列を整え与那海浜「ナガシ」の儀礼へ向かった。途中、スージ(路地)がある場所で立ち止まり、太鼓持ちの「ミチヌマガイマガイ ムヌユウミシミティ ウスーヨーウガミンソーリ」の掛け声に、参加者は「ヨーサレー」と応え、「神様が通る合図」を浜辺に着くまでに9カ所のスージ(路地)で行った。

 浜辺では、東シナ海西の海に向かって祈願。神様に供えるイノシシが、担いできた子どもたちによって海に流されて行事を終えた。
(新城高仁通信員)

英文へ→Praying for prosperity in Yona, Kunigami, Unjami solemnly welcomes the gods