道産子「さくら」健闘 琉球競馬、走り美しく こどもの国


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「さくら」に乗る吉成篤郎さん=11日、沖縄市胡屋の沖縄こどもの国

 【沖縄】走りの美しさや速さ、リズムの正確さを競う伝統の琉球競馬「ンマハラシー」が11日、沖縄市胡屋の沖縄こどもの国で開かれた。離島を含む県内各地から26頭が出場。装飾などで着飾り、走法の妙技を競い合い、集まった観客を魅了した。今大会では2013年の催し復活以降、初めて県外からの参加もあった。競技の結果、こどもの国のナナミが頂点に輝いた。

 琉球王朝時代から1943年まで続いていたンマハラシーは、右前脚と右後脚、左前脚と左後脚を交互に動かす「側対歩」という独特の走り方で競う。速さで勝負を決める「競馬」とは異なり、走る姿や衣装に工夫を凝らして美しさを競い合い勝敗を決する。

 今大会には、宮城県生まれ、茨城県育ちの「さくら」(雌、5歳)が県外の馬で初めて参加した。さくらは国内在来種の一つである北海道和種(俗称・道産子)で、生まれながらにして側対歩ができるといい、注目を集めた。

 さくらは久米島の「イース」と1回戦で対戦。完璧な側対歩で走法の美しさを披露したが、判定で惜しくも敗退した。審判員らは「事実上の決勝戦というほどいい試合だった」とさくらとイースの対戦を講評した。

 さくらに乗馬した吉成篤郎さん(17)は、今大会に合わせ千葉県から来県し、本番に向けて調整してきた。さくらとは幼少期からの付き合いで「穏やかな性格で、かみついたりすることもない」と語る。「本番では側対歩は完璧にできていた」と試合を振り返った。