「男のもの」印象変えたい 闘牛女子・上地さん、組合長に 八重山で全国初


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 【石垣】1963年に建設された沖縄県石垣市登野城の八重山闘牛場の改修工事がこのほど完了し、新たに生まれ変わった。闘牛場建設と同じく、55年前に設立された八重山闘牛組合は昨年11月、第7代組合長として全国でも初の女性組合長である上地かおりさん(44)が就任した。「闘牛は男のものだというイメージを変えたい」と上地さん。強豪牛を輩出し、注目を集めてきた八重山闘牛界は、新たな闘牛場と組合長の下で次の歴史を刻もうとしている。

牛をなでる上地かおりさん=5日、石垣市大川の黒島牧場

 上地さんは八重山闘牛界をリードしてきた故・黒島孫全さんの4人きょうだいの末っ子で長女。10代の頃は「(闘牛は)全く好きではなかった」というが、奮闘する父や牛の姿を見続けるうち引き込まれ、勤めていたJTAでも闘牛観戦ツアーを企画するなど、徐々に関わりを深めていった。

 外から闘牛界を支える中、2010年に父が他界。周囲の反対を押し切り、17年勤めたJTAを退職して闘牛界に身を転じた。牛を育てる兄たちの背中を見て仕事を覚えた。大会前こそ気苦労は絶えないが、「わが子のようで、育てるのが楽しい」と笑顔を見せる。

 組合長就任は「印象を変えてクリーンなイメージにしていこう」という周囲の声に押された。「いかつい顔だが優しい組合員が多い」と笑いながら、「表面だけで闘牛に『暗い』『怖い』との印象を抱く人もいる。女性でも楽しめるというのを伝えたい」と話す。

 3月20日に改修工事を終えた八重山闘牛場はもともと、父やその仲間たちが造り上げた闘牛場。かつては観客席の屋根がなく、雨が降れば取組を中断し、ブルーシートをかぶせてしのいだ。「苦労してきた先輩たちに報いるためにも、みんなで協力して闘牛を発展させたい」と語る。

 新たな闘牛場では毎月3~5試合程度の「観光闘牛」を開催するほか、闘牛以外のイベントへの貸し出しも予定している。八重山闘牛の伝統を継承し、重要無形民俗文化財への指定も視野に入れる。「八重山の闘牛をどんどん盛り上げていきたい」と、生まれ変わった闘牛場を見つめながら、力を込める。

 八重山闘牛場では、8日に落成式典と組合創立55周年記念闘牛大会を開く。問い合わせはFMいしがきサンサンラジオ(電話)0980(88)6530。