これは不思議!? 緑色のユリ 葉と区別つく?


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
一見、葉に見える珍しい緑色のユリ

 【八重瀬】緑色の珍しいユリの花が沖縄県八重瀬町の諸見里真行さん(71)の自宅と農園で咲き、周囲を驚かせている。一見、花とは気付かない不思議なユリは、諸見里さんが6年前に自宅の庭で発見。株分けして増やし、大切にしている。花を愛し、40年以上庭造りを楽しむ諸見里さんは「専門家と緑色のユリについて話をしてみたい。これからも大事に育てたい」と話す。

 幼い頃から花が好きで、46年前に庭造りを始めた諸見里さん。沖縄庭園をイメージした約500坪の敷地は、200種余の木々が生い茂り、季節ごとにさまざまな花や実を付ける。「庭園は小学生からの夢。いろんな木を植え、ウグイスやメジロが水を飲みに来るのが楽しい」と笑顔を見せる。

株分けして大切に育てている緑色のユリを手にする諸見里真行さん=八重瀬町内

 35年前、具志頭海岸の岩を庭に移した。6年前、その岩の穴から葉が伸びているのに気付いた。「しっかり見たらユリの花だった」。諸見里さんは見たことのない花に驚き、農林高校などで聞いて回ったが、詳細は分からなかった。

 以来、球根を株分けして増やしている。3月末につぼみが付き、4月初旬から約1カ月、5~8センチほどの花が咲く。1株から5輪咲いたこともあるという。

 ユリの写真を見た沖縄美ら島財団国営公園管理部植物管理チーム緑化相談所は「あまり見たことはないが、テッポウユリに何らかの突然変異が起こり、花びらが緑色になった『葉化』ではないか」と推測する。原因は断定できないという。

 また、突然変異で咲いた花は自然淘汰(とうた)されて消えるが、諸見里さんのユリは6年間、毎年咲いている。「諸見里さんがきれいに育てているので系統が固定化して残り、毎年、花を咲かせているのだろう。今後も咲くのではないか」と期待した。
(豊浜由紀子)