【フランス】アートで「調和」表現 幸地さん(那覇出身)国際展で注目


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国際的なアートイベント「ARTPARIS」に出品した大型絵画を前にするアーティストの幸地学さん=4月、フランス・パリ市のグランパレ

 4月5日から8日までフランス・パリ市の美術展示会の殿堂グランパレで開かれたフランス美術界を代表する国際的アートイベント「ARTPARIS」(国際現代アートフェアー)。このイベントに沖縄県那覇市出身のアーティスト幸地学さんが今年も出展した。20周年を迎えた今回は約140の世界のギャラリーが参加、延べ6万人が来場した。現代アートの最先端を行く作品を出展するアーティストは世界の美術界の注目を集めることになる。

 幸地さんは今回、大型絵画と彫刻を発表した。幸地学作品を展示するギャラリーのオーナーであるクロード・ルマン氏は「幸地の作品は多くの注目を集め、とても人気があった。もはや日本人としてではなく、インターナショナルなアーティストとして新時代の社会と人間が必要としている独自の芸術観を示している」と高く評価する。

 幸地さんは「人類は今、科学と技術の恩恵にあずかり、最も重要な問い掛けを突き付けられている。アートもその問題に真っ向から影響を受けている」と指摘する。「僕の芸術は一貫してあらゆるものの調和を物語っている」とした上で、「この時代が必要としていることは『対立』から『調和』へ方向を定めることだ。それはつまり人間の精神世界と人工頭脳、産業と環境保護、都市と地方の繁栄、差別をなくすための優れた社会システムや環境をつくることだ」と強調した。(大城洋子通信員)