沖縄県那覇市首里金城町の首里城敷地内で、琉球国時代の1500年代に造られた「真珠道(まだまみち)」の石畳が発掘された。守礼門の近くで、真珠道の起点に近い場所。幅3・5メートル、長さ4~5メートルの石畳で、地表から50センチほどの深さの部分から見つかった。
県立埋蔵文化財センターの専門員田村薫さん(30)は「この辺りに真珠道があることは分かっていたが、こんなにはっきりと分かる状態で出てくるとは思わなかった。予想以上に保存状態は良い」と語った。
今年4月に那覇市繁多川でも真珠道の一部が見つかっているが、首里城内では初めてとなる。道路整備事業の一環で実施した発掘調査で見つかった。当時は守礼門から首里金城町の石畳、寒川町、繁多川、奥武山を経て那覇港まで約8キロをつないでいた。
石畳は琉球石灰岩でできており、削り取られている部分もある。20~30センチほどの不定形の石で、周囲からは1500年代の陶磁器などが発掘され、周囲の状況から真珠道と判断された。
真珠道は、尚真王時代に海賊が猛威を振るう中、軍用道路として整備し来襲に備えた道。今月下旬ごろに保護シートをし、埋め戻す予定となっている。
見学会などは予定していないが、守礼門の近くからフェンスを隔てて見ることはできる。