音楽の殿堂に国宝の歌声 照喜名朝一さん、カーネギーホール公演


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弟子の三線伴奏に乗せて力強く「述懐節」を歌う照喜名朝一さん(中央)=18日、米ニューヨーク市のカーネギーホール

 【米ニューヨーク市で伊佐尚記】琉球古典音楽の人間国宝・照喜名朝一さん(87)門下の琉球古典安冨祖流音楽研究朝一会USA支部(村田グラント定彌(さだみ)支部長)は18日夜(日本時間19日朝)、音楽の殿堂として知られる米ニューヨーク市のカーネギーホールで公演「翔(と)べ! うた三線 イン NY」を開催した。数え88歳を迎えた照喜名さんの米寿を祝い企画した。同支部によると、沖縄の芸能団体単独で同ホールで公演を開催するのは初めて。多様な人種と文化が行き交う大都市で琉球芸能を発信した。

 米国、沖縄、日本の門下生や賛助出演の舞踊家ら約120人が出演した。同ホールは三つのホールがあり、今回は室内楽用のザンケル・ホールで催された。県系人やその他のニューヨーク市民ら約400人が鑑賞した。

 幕開けでは祝儀舞踊「長者の大主(うふしゅう)」のように、照喜名さんが弟子たちを率いて登場。最後は照喜名さんが弟子の三線伴奏に乗せて「述懐節(しゅっくぇーぶし)」を独唱した。公演後、照喜名さんは「このような大都市で琉球の音楽を披露できて感激した。県人会の支えもあり成功できた」と感謝した。