驚異の繁殖力!捨てたカボチャの種から発芽、実100個以上 季節を問わず実を付ける不思議現象も


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菜園で大きく育ったカボチャを手にする上原ルリ子さん=本部町伊豆味

 【本部】捨てたカボチャの種が芽を出し、どんどん根を張りツルを伸ばして実を付け、2年間で100個以上収穫できた―。本部町伊豆味の菜園で、そんな強い繁殖力を持つカボチャが育っている。菜園の主の上原ルリ子さん(65)は「一つの芽からここまで成長するとは。自然のまま育った野菜の生命力はすごい」と驚いている。

 カボチャがなっているのは、上原さんが営む喫茶「さくら庵」の菜園。自然農法で野菜を育てている。

 上原さんは約2年前、菜園の一角からカボチャが芽を出しているのに気付いた。「食べた野菜の種は庭に捨てているので、そこから発芽したのだろう」と手を掛けず見守っていたところ、ツルが周囲の雑草に絡まりながら成長。次々に実を付けながら、今では約1300平方メートルある庭の半分近くまで広がった。

 2年間で採れた実は100個以上。大きいものは直径20センチ、重さ約5キロある。甘くあっさりした味を生かしたカボチャ料理は店の客にも好評で、希望者には株分けしている。

 上原さんは「季節を問わず実を付け、今も伸び続けている。どこまで育つのか」と不思議がりつつも「多くの人にこの元気なカボチャを知ってほしい」と笑顔を見せた。

 県立農業大学校の與那嶺かおる助教授は「生育が旺盛で台木としてよく使われる『新土佐』系のカボチャに似ている。そうだとすれば夏に弱いはずだが、一年中取れるなら、山間部で涼しい環境が生育に適したのかもしれない」と語った。