大宜味・塩屋湾でウンガミ 豊作、豊漁祈る


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
女性たちが太鼓や掛け声で出迎える中、笑顔で到着するハーリー船の男性たち=18日午後3時ごろ、大宜味村の塩屋湾(新里圭蔵撮影)

 国の重要無形民俗文化財に指定されている沖縄県大宜味村塩屋湾のウンガミが18日、湾周辺の集落で行われた。カミンチュと呼ばれる女性たちが湾岸の田港、屋古、塩屋の各地区を巡り、豊作や豊漁、健康などを祈願した。御願バーリーも行われ、青年たちが湾上を力強く舟を漕(こ)いだ。多くの観客が足を運び、ウンガミの様子をカメラに収めた。

 塩屋区発行の「塩屋誌」によると、塩屋湾のウンガミは毎年旧盆明けで最初の亥の日に開かれており、4~500年前に始まったとされる。ウンガミは本島北部の各地で継承されてきているが、塩屋湾では旧来の形式が比較的保たれ、盛大に開かれている。

 御願バーリーではカミンチュを乗せた舟を男性たちが力強く漕いだ。塩屋の浜では女性たちが海に入り、帯やはちまきをして太鼓や掛け声でハーリーを出迎えた。

 かつては約20人いたカミンチュも、今回は4人に。カミンチュの女性(74)は「カミンチュは担い手が少なくなっているが、(行事が)なくならないようにしないといけない」と話した。