県人会に寄贈続々 ブラジル・アルゼンチン移民100周年


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 ブラジルで24日、アルゼンチンで31日に開催される移民100周年記念式典を前に、「沖縄を思い出してほしい」と、個人や自治体など各地から両国の沖縄県人会などに対し、沖縄にまつわる品々の寄贈が相次いでいる。

シーサーや伝統芸能などを収めたDVDなどで「移民国のウチナーンチュを元気づけたい」と贈り物に思いを込める関係者ら。式典に参加できない人たちも、贈り物できずなが深まるのを期待する。

■美里焼のシーサー一対/窯元の宮城秀雄さんが制作

 【沖縄】沖縄市知花に工房を持つ「美里焼」窯元の宮城秀雄さん(69)は、このほどブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)にシーサー一対を寄贈した。24日の式典後、シーサーはサンパウロ市のリベルダーデ地区にある東洋人街の通りに設置される予定だ。
 宮城さんは、県人会の意向を受けた沖縄ブラジル協会の西原篤一会長から昨年「ブラジルのウチナーンチュの守り神・シーサーを寄贈してほしい」と言われ、今回の寄贈となった。
 シーサーは高さ、幅70センチ。宮城さんは「シーサーを見て、ブラジルのウチナーンチュが元気になればうれしい」と話した。
 西原会長が所属する沖縄市在住の経営者などで構成する「南風会」(宜志政信会長)は、シーサー輸送費捻出(ねんしゅつ)のための資金造成ゴルフ大会を22日に開く予定。同会副会長の真喜志康盛さん(62)は「終戦直後、ブラジルのウチナーンチュたちが沖縄復興支援の義援金を送ってくれた。そのお返しとして、会もこの大きな節目に何かできないかと思い、協力を決めた」と話した。
 ブラジル沖縄県人会の与儀会長は「シーサーは沖縄のシンボルで、誰が見ても、沖縄のものだと知っている。提供に感謝したい。東洋人街に設置できることも名誉なことで、喜ばしい」と語った。(問山栄恵)

■パンフ、DVDで町紹介/八重瀬町、文化協会が製作・収録
 【八重瀬】ブラジル・アルゼンチン移民100周年記念式典を前に八重瀬町はこのほど、町内の各字や伝統芸能、名所や景勝地などをまとめたパンフレットを製作し、14日、両国に郵送した。町文化協会が収録した空手や伝統芸能などのDVDなども郵送した。パンフレットは全19ページ、カラー印刷でタイトルは「八重瀬町 人・海・大地」。町職員を中心に編集委員を立ち上げ、2カ月の急ピッチで200冊製作した。併せて、移民100周年を記念した文字を刺しゅうした町旗も同封したという。
 旗は各国の記念大会で町の訪問団を迎える際に掲げてもらう。
 中村信吉町長は「八重瀬町も移民した人々も同じ血を分けた仲間であり、心は一つ。互いの状況や生活が気になっている。記念品の贈呈で、きずなが大きく結ばれていくことを期待する」と話した。

ブラジル、アルゼンチンの移民に記念品を郵送した中村信吉町長(前列右)と伊集守和副町長(同左)ら=八重瀬町役場