街に咲く故郷の色 アルゼンチンきょう式典


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沖縄の琉舞や空手、エイサーなどを繰り広げた移民100周年記念パレード=30日午後(日本時間31日午前)、アルゼンチン・ブエノスアイレス市の5月大通り

 【ブエノスアイレス30日移民100周年取材班】アルゼンチンへの沖縄県人移民100周年を記念したパレードが30日午後(日本時間31日午前)、ブエノスアイレス市の5月大通りで行われた。

沖縄芸能の数々が披露され、舞台となった400メートルの沿道は4万人を超す観客(地元警察集計)が埋め尽くし、市民は「街を元気にしてくれた」と喜んだ。31日午後3時(日本時間9月1日午前3時)からは同市の沖縄県人連合会館で100周年記念式典と祝賀会が開催される。
 パレードはアルゼンチンとペルー、ボリビア、沖縄のメンバーで構成する琉球國祭り太鼓の演舞で開始。力強い空手演武、華麗な衣装をまとった野村流音楽協会亜国支部の踊りに、市民や観光客は次々とカメラのシャッターを切った。地元のタンゴダンサーが琉装の県系人と踊る場面もあった。
 ディエゴ・モラレスさん(27)=化学分析技師=は「この街は混沌(こんとん)としており、重たい空気に包まれているが、沖縄のにぎやかで壮大な祭りが街を元気にさせてくれる」と話した。
 新垣定二移住100周年実行委員会幹事長は「アルゼンチンへの感謝を込めて企画した」と、好反応に意を強くした。
 開会式で安里カツ子副知事は「文化交流を通して、新たな友好関係の出発点となることを期待したい」あいさつ。ブエノスアイレス市政府のエルナン・ロンバルディ文化相は「友好関係がさらに発展することを望みたい」と述べた。(玉城常邦)