1948年、終戦直後の沖縄で、食料難に苦しむ沖縄住民を救うため、550頭の豚を届けたハワイ勇士の遺族たちが11日、ハワイから那覇空港に到着した。第5回世界のウチナーンチュ大会実行委員会は13日に勇士7人を表彰する。
そのうち故渡名喜元美さんと故島袋真栄さんの遺族は、親族の偉業や表彰に「大きな誇り」などと喜びを語った。
沖縄に豚を送ったのは、渡名喜さん、島袋さんと上江洲易男さん、山城義雄さん仲間牛吉さん、宮里昌平さん、安慶名良信さん。
当時、米本国で豚を購入し、軍船を借用。沖縄へ命がけで豚を送り届けた。ハワイからの豚は県系人の支援の象徴として語り継がれ、その物語を描いたミュージカル「海から豚がやってきた!!」は県内だけでなく、ハワイ、ロサンゼルスでも公演され好評を博した。
元美さんが表彰されることについておいのキース渡名喜さん(70)は「とてもうれしい。困難に立ち向かっていったことを誇りに思う」と興奮気味に語った。元美さんが母のいとこに当たる照屋文雄さん(79)=与那原町=がキースさん夫妻を出迎えた。元美さんが豚を沖縄に届けた際、約1カ月、照屋さん宅に泊まったという。「温厚な人柄だった。ハワイや沖縄の歴史を学んだ、わたしの父親のような方だ。表彰は光栄だ」と喜んだ。
島袋真栄さんの孫、ジョン糸村さん(48)は「自分が何をしたか、家族にさえ言わず、沖縄の住民を救うという自分の使命のためだけに動いた。彼がやったことは、沖縄とハワイの強い絆という懸け橋を築いたことだ。それを誇りに思う」と語った。