指笛、ウエーブで熱気 世界のウチナーンチュ大会開会式


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<広がる笑顔の舞>三線の演奏に合わせてカチャーシーを踊るペルーの参加者ら=13日午後7時半ごろ、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇(又吉康秀撮影)

 黄色いシャツや赤いTシャツ。各国それぞれの服装でカラフルに彩られた沖縄セルラースタジアム那覇のスタンド席。エイサーやカチャーシーで県系人と県民が一体となり、第5回世界のウチナーンチュ大会が華やかに幕を開けた。敗戦後、食料難に苦しむ沖縄に豚を届けたハワイ県系人の取り組みなど、海を隔てて支え合ってきたウチナーンチュ同士が深い絆を確かめ合う。

参加者の中には親類との対面を果たした県系人や自らのルーツを追い求め情報を集める人も。110年にわたる沖縄移民史に新たなドラマが刻まれようとしている。
 会場の沖縄セルラースタジアム那覇は開会式が始まる前から、スタンドを埋めた県系人から指笛と各国の国名のコールが響き、ウエーブが湧き起こった。昼間から降り続いた雨は開会式直前にはやみ、夕日が差し込む中、14歳の歌手・natchyが歌うテーマソングで開幕。古謝美佐子さんは「アメージング・グレース」や「童神(わらびがみ)」でしっとりと聞かせた。後半は日出克さんの「ミルクムナリ」を生演奏に合わせて海外の県人会や県内の団体がエイサーを演舞。参加者らは音楽を通じて自らのルーツを再確認した。
 ゲストに6月の日本女子アマチュアゴルフ選手権大会で優勝した、本部高2年の比嘉真美子さんが登場。ステージからゴルフボールをバックスクリーンに向かってショットした瞬間、花火が上がった。新ウチナー民間大使に任命された元大関のKONISHIKIが登場するとハワイ県系人を中心に大歓声が上がった。
 フィナーレのエイサーでは、県系人らはウチナーンチュとしての血がさわぎ出すのか「踊らなければ始まらない」とばかりに、カチャーシーの乱舞となった。
 北米から子と孫3世代で参加した県系一世のよし子・ベックマンさん(72)は「エイサーを見ると、太鼓を手にしていなくても踊り出したくなる。カチャーシーまで楽しんだ」と興奮気味に語った。今大会から一般の参加も可能となり、スタンド席は家族連れなどが目立った。豊見城市から夫婦で来ていた塚義雄さん(77)は「初めて開会式に参加したが、こんなに大勢の県系人が海外で暮らしているんだと実感した」と語った。