瀬長さん闘争史展示 「不屈館」来年3月開館


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 「民衆のために闘った瀬長亀次郎を民衆の手で支えていきたい」。米統治下に投獄や被選挙権剥奪などの弾圧を受けながらも、圧政に対する抵抗運動の先頭に立った政治家・瀬長亀次郎さん(1907~2001年)の足跡を残そうと、瀬長さんの資料館「不屈館―瀬長亀次郎と民衆資料―」が来年3月1日、那覇市若狭に開館する。

次女の内村千尋さんら運営委員会が28日、資料館で記者会見し、資料や写真の提供、寄付、会員加入を呼び掛けた。
 資料館には瀬長さんの生い立ちから国会議員勇退までの一連の活動を年史としてパネルで紹介する。このほか、瀬長さんがちゃぶ台で毎日勉強していた当時の和室を復元するなど、瀬長さんの生涯を分かりやすく伝えるよう工夫が凝らされる。
 瀬長さんは約200冊の日記のほか、8千冊を超える蔵書、新聞記事のスクラップ帳約800冊など、数多くの資料を残している。この中から米統治下に米軍によって発行と閲覧が禁止になった書籍など貴重な資料を展示する予定。
 入館料は大人500円、高校大学生300円。同館は「不屈館友の会」の会費で維持、管理することにしている。当面の資金確保として1千万円を目指しており、同館では年間3千円の賛助会員、年間5千円の維持会員を募っている。会員になると入館無料となり、ニュースが送付され、維持会員はさらに同館で販売される書籍、物品が割引となる。
 内村さんは「県内外の人達に足を運んでもらって、沖縄闘争を継承していきたい。県民の闘いの象徴がこの資料館に集まればいい」と話す。資料の提供や寄付などの問い合わせは不屈館開館準備室事務局(電話)098(886)0277。

米統治下に米軍によって閲覧禁止になった瀬長さんも執筆に関わった書物=28日、那覇市若狭の不屈館
資料館の説明をする瀬長さんの次女内村千尋さん=28日、那覇市若狭の不屈館