「戦争は大変な誤り」 キーンさん平和の礎に


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「戦争は大変な誤りだ。二度とあってはならない」と語る日本文学者のドナルド・キーンさん=13日、糸満市の平和の礎

 来県中の日本文学者・ドナルド・キーンさん(90)は13日、糸満市の平和の礎を訪れ、沖縄戦の戦死者に祈りをささげた。

米軍の通訳として沖縄戦に参加したキーンさんは「死ななくてもいい多くの民間人が殺された。いつの時代も戦争を始める理由はたくさんあるが、戦争は大変な誤りだ。二度とあってはならない」と平和の大切さを強調した。
 キーンさんは1945年沖縄に上陸し、捕虜の尋問や日本兵への投降呼び掛けなどを行った。「日本人を救いたいという気持ちが強かった。だが、捕虜になると女性は暴行され、子どもは殺されるという日本軍の宣伝を住民たちは信じ、一日も早く死のうとしていた。軍部の罪は大きい」と話す。
 尖閣諸島や竹島など領土問題が激化している昨今を憂い「人間は交渉ができる。急ぐ必要はない。平和はみんなにとって高い希望であるべきだ」と平和的解決の必要性を訴えた。

英文へ→Donald Keene visits the Cornerstone of Peace in Itoman