キッズ劇生き生き 石川地区の戦後史紹介


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<命の御祝いさびら>舞台上で生き生きとした表情を見せる石川ひまわりキッズシアターの子どもたち=9日、うるま市立宮森小学校

 【うるま】うるま市石川地区の子どもたちで構成する「石川ひまわりキッズシアター」の初舞台「命の御祝い(ぬちぬぐすーじ)さびら」が9日、同市立宮森小学校で上演された。舞台上で生き生きと歌い踊る子どもたちに、詰め掛けた約500人の観客は温かな拍手を送った。

 宮森小の米軍ジェット機墜落事故を語り継ぐ「石川・宮森630会」と市内で児童館の運営を担う「りんく・いしかわ」が主宰。石川地区の歴史を学びながら、歌やダンスで創造性やコミュニケーション能力を育もうと本年度発足した。
 これまで、市立石川歴史民俗博物館や戦後初の中央政治機関・沖縄諮詢会跡などを見学し、地域の歴史を学んできた。
 舞台は、東京から転校してきた少年・匠が、沖縄の自然や文化、沖縄戦について知ることで次第に沖縄に興味を持つようになり、周囲の友達と打ち解けていく物語。案内役は戦後、石川地区から歌と笑いを発信し、県民を元気づけた小那覇舞天さんという設定だ。
 子どもたちは、多くの観客が見詰める中、大きな声で歌い、体全体で踊った。
 匠役の比嘉七海(ななみ)さん(伊波小5年)は「みんなの支えがあったから緊張せず演じられた」と感謝。舞天役の長嶺美鈴さん(宮森小6年)は「舞天さんは、人の悲しみを吹き飛ばしてくれた。それを面白く伝えたいと思って演じた」と自信に満ちた表情を見せた。
 めいの応援に来たという宮城安仁さん(38)=沖縄市=は「飽きっぽい子が一生懸命取り組んでいた。生き生きとした表情に感動した」と話した。