被災小学校にラン エスロク会が贈呈へ


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2年間の活動の締めくくりとして被災地の小学校へ花を贈るエスロク会のメンバー=9日、うるま市石川城北公民館

 【うるま】1985(昭和60)年生まれの石川中学校卒業生でつくるエスロク会(仲松祥吾代表)は、東日本大震災で被災した福島県南相馬市の8小学校にランの寄せ植えを送る。

「少しでも誰かが喜び、笑顔になってくれたら」。南国らしい鮮やかな花々は、メンバーの思いとともに、22日に行われる小学校卒業式・修了式までに、被災地の子どもたちの元へ届けられる。
 エスロク会は、震災直後の2011年3月15日に発足した。当時、同級生の1人が茨城県で被災したのを知り「人ごとじゃない。自分たちにできることをしよう」と集まった。
 これまで、「沖縄から届け」と書かれたオリジナルTシャツ販売の収益を市社協に寄付したり、募金活動をしたりした。「地元の人にも被災地の現状を知ってほしい」と、仲松さんが現地に行き撮影した写真を、銀行や小学校などで展示したこともある。
 間延びせず集中した活動にするため、活動期間は当初から2年と決めていた。今回の「花の贈り物」で活動を終える。
 石川祐(たすく)さん(27)は「少ない人数でも、この活動で笑顔になってくれたならうれしい。一日も早く『支援』の必要がなくなることが一番いい」、石川智隆さん(同)は「仲間と一つの志を共有でき、自分自身も成長できた」、伊波望さん(同)は「一度、被災地に行きたい」と話し、今も復興途中にある被災地の人々へ思いを寄せた。
 仲松さんは「一応今回で会としての活動に区切りは付けるが、今後も被災地を訪れ、現状を見続けたい。震災を忘れず、自分が見たことを県内の人へ伝えることが自分にできること」と力強いまなざしで語った。
(銘苅つばき)