「ふんばるガジュマル」命名 対馬丸「小桜の塔」


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新しく命名された「ふんばるガジュマル」の下で「小桜の塔」に眠る対馬丸犠牲者に歌をささげた児童ら=6日、那覇市の旭ヶ丘公園「小桜の塔」

 対馬丸犠牲者をまつる「小桜の塔」の隣に立つガジュマルの命名とクメノサクラ植樹式典(対馬丸記念館主催)が6日、那覇市の旭ヶ丘公園で開かれた。

対馬丸記念会やつしま丸児童合唱団などから約20人が参加した。ガジュマルは団員の応募から選ばれた「ふんばるガジュマル」と名付けられた。児童らは塔に刻まれた歌をささげた。
 関係者が塔の周りの雑木を刈り取った際、ガジュマルが何本も地上に下ろす気根や、岩の斜面にうねうねとはう根が現われた。不安定な場所で岩を抱き成長した姿に、対馬丸沈没で生き残った数少ない子どもたちの生命力を重ねたという。
 命名した若狭小5年の宮里聖音さん(10)は「実際に木を見て踏ん張っているなと感じた。特に大きいところがすごい」と話した。
 同公園を花が咲きチョウの飛ぶ森にしようと、記念会は「平和の森構想」を進めている。宮城清志館長は「対馬丸で亡くなった子どもたちもきっと喜んでいる」と児童らに語り掛けた。