恩返しのプレーボール 教え子ら退職祝い試合


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 【名護】県内各地の高校野球部での監督や県高野連審判部長などを務めた国仲吉川さん(60)=西原町=の高校教諭退職を祝う記念試合が7日、最初の赴任地北部工業の教え子が企画して行われた。

会場の名護市営球場には三十数年ぶりに再会する同校卒業生らが集まった。国仲さんは「教師冥(みょう)利(り)に尽きるよ」と目を細めた。
 試合は今年3月に高校教諭を定年退職した国仲さんの長年の労をねぎらおうと、同校卒業生で現在は茨城県在住の仲村秀勝さん(53)が企画した。
 1959年生まれが中心となった北部工業OBチームが、名護高卒業生らでつくる「yanbaru34」と対戦。統合して今はなき北部工業のユニホームに身を包んだ国仲さんは先発投手として登板し、3回を零封。3―2で北部工業OBが七回サヨナラ勝ちした。
 キャッチャーとして国仲さんのボールを受けた仲村さんは「昔は球がものすごく速くて、みんなバットでかするのもやっとだった」と語り「先生だから、これだけ人が集まったんじゃないかな」と思いを巡らせた。
 「年取った今でも野球少年」と国仲さんについて語るのは妻の恵子さん(60)。「自分の教え子に囲まれて幸せだと思う」と夫のプレーを見詰めながら語った。国仲さんは「昔通りに動けないけど、みんなお互いを気遣い合ってプレーできてうれしい。野球で集まれるのはいいね」とグラウンドを見詰めながら語った。

力投する国仲吉川さん=7日、名護市営球場
国仲さん(前列左から5人目)と教え子たち