つまようじ4万5000本!! ハーリー船模型 完成


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那覇ハーリーの模型を手作りで完成させた安慶名元英さん=16日、糸満市の自宅

 5月3日から5日まで開催される「那覇ハーリー」が近づく中、安慶名元英さん(75)=糸満市=はこのほど、2年がかりで手作りの那覇ハーリーの模型3艘(そう)を完成させた。

作品は那覇市に寄贈され、23~30日、市役所1階で展示される。1艘約1万5千本のつまようじを重ねて作り上げた力作。元英さんは「苦労して作った。多くの皆さんに見てもらいたい。大好きな那覇ハーリーを盛り上げる手伝いができてうれしい」と話した。
 ハーリーの模型は全長1メートル10センチ。緑の「那覇」、黄色の「久米」は、こぎ手が乗り込んで準備をしている様子、黒の「泊」はこぎ出した様子が表現されている。つまようじの土台に彫刻刀、かんなで仕上げ、竜頭、竜尾は木彫りだ。人形はつまようじと紙粘土を使用し、手縫いの着物を着せた。櫂(かい)(エーク)は割り箸だ。
 元英さんは那覇市松山の出身。琉球漆器の職人だった父親の故克光(こっこう)さんの影響で小さいころから彫刻を手掛けている。那覇高校卒業後、東京で写真製版の技術を習得し、帰郷後は松山で仕事をしていた。
 父克光さんが那覇大綱挽で使われる旗頭を最初に手掛けていたこともあり、元英さんは那覇の祭りに親しんできた。特にハーリーに夢中で、毎年欠かさず見に行く。御願バーリーの時には「わくわく胸が高鳴る」という。
 このため元英さんは那覇ハーリーの模型を作ることが長年の夢だった。退職し、日中の時間を模型制作につぎ込んで、2年がかりで完成させた。出来栄えを見て「われながら感動する」と喜ぶが、あまりに大変だったので「二度と作りたくない」ともこぼす。だが「サバニならもっと作ってもいい」と次回作への意欲ものぞかせた。

英文へ→Dragon boat models made using 45,000 toothpicks