37人の集落に600人 西表・船浮音祭り


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池田卓さんのステージで盛り上がる観客=21日、竹富町西表島船浮のかまどま広場

 【西表島=竹富】「陸の孤島」と呼ばれる西表島船浮のかまどま広場で21日、第7回船浮音祭り(同実行委員会主催)が開催された。人口37人の集落に全国各地から約600人が来場。船浮出身のシンガー・ソングライター池田卓さんらの歌や、地域住民の料理、船浮の自然を満喫した。

 ステージでは池田さんが船浮への思いを込めた「島の人よ」や、八重山伝統の「デンサー節」などを披露。曲の合間には「この広場は僕の野球場だった。少ない人数だからランナーは透明人間にしていた。だけど楽しかった」などと語り、島の思い出と良さを伝えた。
 ゲストで駆け付けたローリークックさんもコザ仕込みのロックを演奏し、観客を引きつけた。「しんちゃん」の愛称で親しまれる津波信一さんが司会を担当し、軽妙なトークで笑いを誘った。
 出店は地域住民が伝統料理を披露。名物のイノシシ汁やイノシシそばは完売するほど好評だった。
 船浮は西表島の最も西にある集落で、道路がつながっておらず船でしか行けない場所。音祭りは池田さんが地域活性化と住民の絆を深めるために企画した。今年は全国・地域再生大賞優秀賞を受賞し、話題となった。
 池田さんは「また来てくれる人のためにも毎年続けていきたい」と話した。