自慢の声響く 糸満ハーレー歌大会


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ハーレーギンを身にまとい、力強い声でハーレー歌を歌う上原佑介君=2日、糸満市農村環境改善センター

 【糸満】「2013年度糸満ハーレー歌大会」(主催・糸満市、同大会運営委員会)が2日、同市農村環境改善センターで開かれた。「創作部門」と「伝統歌唱部門」の2部門に合計19の個人・団体が出場し、「伝統―」の上原佑介君(同市立西崎小6年)が最優秀賞に輝いた。

園児からお年寄りまで、幅広い年齢の出場者がステージに立ち、思い思いの衣装や楽器を用いて「ハーレー歌」を表現した。
 「ハーレー歌」は、旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に糸満漁港中地区で催される「糸満ハーレー」で歌われる。御願バーレーは、糸満の古い時代の集落「西村」「中村」「新島」の3村に分かれて争われ、それぞれ歌詞が異なるハーレー歌がある。御願バーレーとハーレー競漕(きょうそう)終了後に市内の拝所でハーレー歌が奉納される。大会は、ハーレー歌の普及・啓発を目的に開かれ、ことしで6回目。
 出場者は、思い思いの衣装や楽器を用いて日ごろの練習成果を披露。中には、ピアノやフルート、ビオラのアンサンブル形式や男性三重唱、創作ダンスを披露するなど、伝統にとらわれない姿勢でハーレー歌を表現した。
 最優秀賞の上原君は、ハーレーの漕(こ)ぎ手らの衣装(ハーレーギン)を身にまとい、高い伸びやかな声で歌った。審査委員長の杉本信夫さんは「素晴らしい後継ぎが出てきて、感動している。創作部門は今後、いろいろな人が挑戦し、糸満だけでなく世界中にハーレー歌が開かれていくだろう」と講評を述べた。上原君は12日のハーレー大会で美声を披露する。
 両部門の優秀賞には、ハーレキングシンガーズと大城三兄弟が選ばれ、奨励賞には東恩納心愛さん(沖縄市立高原小学校6年)と上原正廣さんが選出された。