厳かに遷座行列 孔子神位、69年ぶり久米移転


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久米崇聖会員や地域の児童生徒ら150人が参加した新久米至聖廟への神位置の遷座行列=15日、那覇市若狭

 久米三十六姓の子孫でつくる久米崇聖(そうせい)会(神村光二理事長)は15日、那覇市久米の松山公園に完成した新久米至聖廟(しせいびょう)の落成式典と神位の遷座(せんざ)行列を執り行った。

式典に先立ち、午前には同市若狭の久米至聖廟大成殿に祭られていた孔子の神位(位牌)などを移転した。約150人が参加して、爆竹を鳴らしながらにぎにぎしく練り歩いた。久米の至聖廟が沖縄戦で焼失して若狭に移転して以来、69年ぶりに神位は久米の地に戻った。
 遷座に伴い、普段はめったに開かないという至聖門が開け放たれた。行列は上山中の生徒が横断幕を持ち先導した。
 久米や久茂地青年会の旗頭、若狭ちむどんどん太鼓も参加した。崇聖会会員らは礼服姿で遷座の厳かさを増した。孔子とともに四配(顔子、曾子、子思子、孟子)の神位なども移転された。
 神村理事長は「戦争でなくなり、余儀なく場所を移された。69年ぶりにようやく久米村人(クニンダンチュ)の夢がかない、久米の地によみがえらせることができた」と喜んだ。
 午後には新久米至聖廟で落成式典が開かれ、仲井真弘多知事、翁長雄志那覇市長らも参加した。

英文へ→Mortuary tablet of Confucius returns to Kume after 69 years