平和願い除幕 ブロンズ像「PEACE」


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<名護に寄贈>ブロンズ像「PEACE」を囲み笑顔の(左下から時計回り)マドレイン・ルイスさん、比嘉良治さん、稲嶺進市長、笹本恒子さん=21日、名護市の21世紀の森公園

 【名護】「名護が平和になってほしい」。名護市出身で米国ニューヨーク在住の芸術家比嘉良治さん(75)が、妻のマドレイン・ルイスさん(67)の父で、芸術家の故チャールズ・ルイスさんが制作したブロンズ像「PEACE(平和)」を同市に寄贈した。

21日、ブロンズ像が設置された21世紀の森公園で除幕式があり、比嘉さんや関係者は平和への願いを込めて幕を引いた。
 比嘉さんの義父チャールズさんはイギリス生まれの芸術家で、2011年に94歳で亡くなるまで数多くの芸術作品を残した。「PEACE」像は晩年の作品で、20歳前後の女性が平和を象徴するハト3羽と戯れている。
 比嘉さんは「平和を愛した義父の作品が基地問題に揺れる名護市に設置され、平和を訴えるとともに多くの市民が作品に触れてほしい」と願いを込める。
 式では太陽の子保育園の園児が太鼓の演舞を披露し、花を添えた。マドレインさんは「父は子どもが好きで、彫刻のそばで孫たちと遊んでいた」と笑顔を見せた。
 「PEACE」像は公園内のデイゴ林に、海を向くように設置された。像の視線の先には比嘉さんが制作した彫刻作品「とぽいんふぃにてぃー」がある。
 あいさつに立った稲嶺進市長は「21世紀の森にいろんな作品が展示され、芸術の森に変わっていけばいいと思っている」と喜んだ。
 チャールズさんと親交があった報道写真家の笹本恒子さん(98)も東京から訪れた。「毎年クリスマスカードを送り合っていた。沖縄に置くことができてチャールズも喜んでいると思う」と語った。